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[広島電鉄]350形

広島電鉄350形 351号車 江波付近にて 2021年1月撮影。

351号車(2021年1月)

この車両について

【広島電鉄 350形】

広島電鉄350形の前身である850形は、1958年(昭和33年)に宮島線直通運転用としてナニワ工機で3両(851-853)が製造されました。
菱型パンタグラフ付きの全鋼製ボギー車で、NS-11形台車に50 kWの吊り掛け式モーターを各台車に1基ずつ装備。
設計最高速度60 km/hと当時の広電在来車に比べて高速性能に優れた構成でした。

しかし、のちにより高速・高性能な2000形・2500形(⇒3100形)などが宮島線に投入されると、850形は宮島線運用から追われて市内線専用となり、形式も350形(351-353)へと改められました。(※1)

冷房化やワンマン化などの改造を経て、市内線においては長年にわたり主力車両の一角として活躍を続けていましたが、1000形などの低床連接車の導入により2023年3月に351号・353号が廃車。2025年現在は352号のみが在籍しています。

(※1) 1971年の神戸市電導入時、K車(のちの広島電鉄570形)を850形に改番する計画があったためと言われる。
結局、神戸市電は譲渡元の番号のまま導入されることになった。

運用について

宮島線から撤退後は千田車庫に配置され、長らく1・3・5号線などの市内線で運用されてきました。
2020年頃に351号・353号が江波に転属、以後廃車までラッシュ時の6・8号線の運用に就いていました。

2025年現在、352号は広電唯一の吊り掛け駆動・間接非自動制御車として残されており、運転士養成にも使用されています。

広島電鉄350形 352号車の訓練車 市役所前付近にて 2016年3月撮影。

訓練車として使用された時の姿(2016年3月)

型式写真

【351号】

【352号】

【353号】

各部資料写真

前面

ワンマン表示幕は、新製時の小型行先幕の名残。

側面

先輩格の550形が上段Hゴムの所謂バス窓タイプだったのに対して、350形は2段サッシ窓になっています。

屋根

冷房は三菱電機製CU-77。パンタグラフを挟んで逆側には電源用SIVも搭載。

台車

プレス鋼板溶接組立のNS-11を装備しています。

パンタグラフ

宮島線直通を見据えて櫓付きのパンタグラフを装備しています。

訓練車看板

 

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