この車両について
【広島電鉄 700形】
1982年にデビューした700形は、550形以来27年ぶりに市内線用として新造された大型ボギー単車です。1980年に試作製造された3車体連接の3500形で得た知見を活かし、13.5 m の全金属車体に大型一枚窓+前中2扉という当時としては先進的な「軽快電車」スタイルを採用。しかしながら、初期製造車は軽快電車3500形のようなカルダン駆動方式とはならず、従来通りの吊り掛け駆動方式となっています。
冷房は新造時から完備しており、市内線では初の新製冷房車となっています。
1985年までに全11両が製造され、仕様の違いにより以下の3グループに大別されます
グループ | 車号 | 製造年 | 駆動方式/台車 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
1次車 | 701-704 | 1982 | 吊掛け/NK201 | 750形の機器流用。方向幕は小型。 |
2次車 | 705-707 | 1983 | 吊掛け/NK201 | 方向幕拡大・ブレーキ灯新設。 |
3次車(710番台) | 711-714 | 1985 | 平行カルダン/FS-85 | カルダン駆動化で騒音低減と加速向上を図った 実質別形式。 |
その後、2010年代より冷房装置の更新が進められています。
また、2022年から順次集電装置がシングルアームパンタグラフに換装されています。
運用について
千田と江波に配置があり、千田所属車は1・3・5・7号線、江波所属車は6・8号線で主に運用されています。
型式写真
1次車(701-704)
- 701号車(2021年3月)
- 702号車(2015年7月)
- 703号車(2021年10月)
- 704号車(2025年4月)
2次車(705-707)
- 705号車(2014年3月)
- 706号車(2025年4月)
- 707号車(2021年12月)
- 707号車(2015年8月)
- 707号車(2014年3月)
3次車(711-714)
- 713号車(2014年3月)
- 713号車(2021年1月)
- 714号車(2016年3月)
- 714号車(2021年3月)
各部資料写真
前面
- 711号車(2015年7月)
屋根(パンタグラフ、冷房装置換装前)
- 705号車(2015年7月)
- 705号車(2015年7月)
- 705号車(2015年7月)
- 705号車(2015年7月)
参考文献
「新車ガイド2 路面電車にまたニューフェイス 広島電鉄に700形登場」『鉄道ファン』1982年9月号(通巻257号)、交友社、1982年9月、pp.82-86.
「シリーズ:路面電車を訪ねて20 広島電鉄 Part2」『鉄道ファン』1989年3月号(通巻335号)、交友社、1989年3月、pp.101-110.