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[広島電鉄]800形

広島電鉄800形 802号と806号の離合 猿猴橋町付近にて 2021年3月撮影。

806号と802号(2021年3月)

この車両について

【広島電鉄 800形】

広島電鉄800形は1983 年から1997 年にかけ、アルナ工機で14両(801–814)が製造された13.5 m級ボギー単車です。
市内線の将来標準車を見据え、当時の最新技術を惜しみなく盛り込んでいます。
推進装置には三菱電機製の電機子チョッパ制御器を採用し、回生ブレーキを常用できる全電気指令式電磁直通ブレーキと組み合わせることで、省エネ性能と応答性を大幅に高めています。駆動方式は平行カルダン駆動で、台車には騒音・振動を抑制する弾性車輪を履かせ、走行音の低減と乗り心地向上を同時に実現しました。

14両の小所帯でありながら製造時期が長期に渡ったため、同期の連接車3700形/3800形/3900形の進化に伴って車体デザインが微妙に変化しています。

グループ 車号 製造年 駆動方式/台車 特徴
1次車 801-802 1983年 平行カルダン/FS-83 700形似の前面。縦2灯ヘッドライトと太帯。
2次車 803-804 1987年 平行カルダン/FS-88 3800形風のシャープな前面。ライト横並び・細帯化。
3次車 805-808 1990年 平行カルダン/FS-88 側面が黒サッシに。前面ライト角型化。
4次車 809-812 1992年 平行カルダン/FS-88 3次車を踏襲しつつ小改良。ワンマンミラーの設置位置が変更。
5次車 813-814 1997年 平行カルダン/FS-88 3900形に近い前面デザインに変更。

製造後の変化

  • 方向幕のLED化
    登場時は全車幕式でしたが、順次LED表示器に取り換えられています。
  • 制御装置のVVVF化
    制御装置が電機子チョッパからVVVFに更新されています。これに伴って、屋根上のチョッパ制御向け機器箱が撤去、VVVF向けの小型のフィルタリアクトルが搭載されています。

運用について

千田と江波に配置があり、千田所属車は1・3・5・7号線、江波所属車は6・8号線で主に運用されています。

型式写真

1次車(801・802)

2次車(803・804)

前面デザインが大きく変更。3800形に近いスタイルに。

3次車(805-808)

3800形3802号以降と同様に角目ライト化。

805号

806号

807号

808号

4次車(809-812)

ワンマンミラーの設置位置が前面幕横から側面に。これに伴って、前面窓の分割が変更。

5次車(813・814)

ライトケースが車体とツライチに。3900形と似た印象となった。

各部資料写真

前面

側面

屋根

807号(3次車・VVVF化後)

809号(4次車・電機子チョッパ)

813号(5次車・電機子チョッパ)

Zパンタグラフ

参考文献

「新車ガイド2 ニュー軽快電車 広島電鉄800形登場」『鉄道ファン』1984年4月号(通巻276号)、交友社、1984年4月、pp.58-63.

「シリーズ:路面電車を訪ねて20 広島電鉄 Part2」『鉄道ファン』1989年3月号(通巻335号)、交友社、1989年3月、pp.101-110.

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