PR

[一畑電気鉄道]5000系「出雲大社号」

一畑電鉄5000系 「出雲大社号」さよなら運転 浜山公園北口→出雲大社前にて。(2025年1月撮影)

浜山公園北口→出雲大社前(2025年1月)

この車両について

【一畑電気鉄道 5000系 「出雲大社号」】

一畑電気鉄道5000系は、1998年(平成10年)に導入された急行形電車です。
一畑電気鉄道(現一畑電車)の車両近代化計画の一環として、旧型車両を置き換える目的で2両編成×2本(計4両)が京王電鉄5000系電車を改造して導入されました。

改造種車は京王電鉄5000系のうち、4基搭載分散クーラーRPU-2203を搭載したクハ5700/クハ5750で、京王重機整備による電装化を含めた大改造を経て一畑に導入されています。

導入当初から出雲大社方面への観光輸送を重視しており、2100系とは全く異なる外観・内装が特徴となっています。

外観の特徴

側面は2100系の第3/第4編成と同様、中央の側扉を撤去して2ドアとなっています。
前面は大幅な改造が施されており、貫通幌扉は埋められて非貫通形となり、灯具も全て特別なものに変えられています。

また、元は制御車であった車両を電動車化しているため、屋根上の機器配置も京王5000系時代とは大きく異なっています。
デハ5000では、4基搭載されていた冷房装置のうち1基を撤去し、パンタグラフを標準搭載位置より車端寄りに設置しているのが大きな特徴です。

内装の特徴

登場時の車内は、白色の内壁に青色のシートという配色でまとめられており、扉間には2+1配置のクロスシートが、車端部および扉付近にはロングシートが設けられていました。

2100系と同様、ワンマン運転を行うにあたって乗務員室と客室の仕切りが改造され、運賃箱が設置されています。また、車内連結面には防犯用カメラを搭載し、ワンマン運転時の安全性も確保されています。

2014年、5009編成に対して木質化改造が施されました。
地元産の杉材などを用いた内装リニューアルが行われ、以降は観光PRの一環として、木製の「しまねの木」ヘッドマークを掲出して運用されています。

導入後の運用状況について

5000系は導入以来、主に急行「出雲大社号」や平日朝の特急「スーパーライナー」などの運用に充当されてきましたが、後継車両の登場や観光需要の変化により、2013年頃から普通列車中心の運用へ移行しました。

編成表

編成番号 車両構成(一畑口⇐⇒松江温泉・出雲大社) 備考
5009編成 デハ5009+デハ5109 2014年7月に木質化改造/2021年にデハニ50カラーに変更
5010編成 デハ5010+デハ5110 2025年1月に引退

 

編成写真

5009編成

5010編成

各部資料写真

前面(面縦)

5009編成

5010編成

前面(その他の角度)

前面(細部)

前面(ヘッドマーク)

前面幕回し

側面サイドビュー

←松江温泉・出雲大社前 | 一畑口→

←一畑口 | 松江温泉・出雲大社前→

側面窓

種車の京王5000系の側面窓は、開閉可能な2段窓と2段窓に見せかけた戸袋窓の2種類があります。
2扉化に合わせて、中扉の戸袋窓だった箇所は2段窓に交換されています。

側面レタリング

客扉横サボ

各客用ドア横に掲げられるサボ。基本的には4種類ですが、紛失等により後年作り直したものが存在する模様。

妻面

屋根上

分散クーラーRPU-2203を、デハ5000には4基、デハ5100には3基搭載しています。
登場時のクーラーは灰色でしたが、塗装が剥げてきたのかアイボリーが目立つようになりました。
その後5009編成は灰色で再塗装が施されましたが、5010編成はほぼアイボリーになって引退を迎えています。

パンタグラフ(PT42)

台車(FS510)

一畑電鉄5000系は京王5000系(初代)を改造した車両ですが、京王線の軌間1372mmと一畑線の軌間1067mmが異なるため、譲渡に際して台車を換装する必要がありました。
この際、同時期に廃車が出ていた営団地下鉄日比谷線3000系の台車(FS510)が選ばれています。

先頭側

各車先頭側の台車には排障器が付属します。

妻側

床下機器

山側/湖側は雲州平田基準です。

デハ5000山側

デハ5000湖側

デハ5100山側

デハ5100湖側

車内(乗務員室)

車内(客室)

 

タイトルとURLをコピーしました